Study of Anchorage

2020-still going on

私は移動することや歩くことをテーマに写真で作品を作っている。そんな私にとってこのコロナウィルスによる移動自粛は作品を作ることの本質を強く考えさせる契機となった。

私は約4年前から作品作りのベースとなるアトリエを西伊豆の戸田という漁師町に構えているのだが、コロナ禍の約2ヶ月間は毎日のように近くの海へ足を運び、海を眺めていた。

多くの船が停泊する港では、漁師達も同じくいつ漁に出れるのかとぼんやり海を眺めていたが、私は停泊するそれらの船のロープの影が、波の振動によって変化する様子を毎日写真に撮っていた。

一本のロープで陸に繋がれた小舟に自分自身を投影していたのだろうか。または波が作り出す揺らぎに自然からのシグナルを感じ取ろうとしていたのか。

コロナ禍の時間の中で感じていた私自身の不安や焦り、様々な想いが線となり現れ、それはまるでお経のように響いた。

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